無名の男がたった7年で270億円手に入れた物語

新卒として就職して以来、約13年間会社員(営業職)としてのキャリアを積み重ねておりますが、取引先と接する中で、経営者に憧れを持つようになり、漠然と自分も将来起業したいと思っておりました。

ただ、自分に何か特別なスキルがあるわけでもなく、また特別やりたいこともなかったため、何を事業内容にするかさだまらない中で、起業のヒントとなればと思い、この本に出会ったので、読んでみることにしました。

この本は著書である竹之内社長がリラクゼーション事業「りらくる」の創業当時から多店舗展開に至るまでの戦略や考え方が中心に書かれており、さらに「りらくる」創業前の竹之内社長の考え方、「りらくる」売却後の別事業への参入についても触れられています。

本書を通して会社員の中でも実践できることが次の3点です。

成功者のやり方を徹底的に真似する

竹之内社長は学生時代、学校の成績を上げるためにまず成績優秀者の勉強方法を聞いて、それを実行していたそうです。

その考え方がもとになっていて、ビジネスを始めるときに、まず評判になっている店のやり方を徹底的に研究して、言語化し理解してから始めていると綴られています。

なりたいポジションの振る舞いをする

竹之内社長がまだ美容師として雇われていたときの話として書かれていますが、与えられた役職を全うするのではなく、一歩先のポジションを演じ、そのように振る舞うことで成長スピードを加速させることができます。

「提案する」ことで付加価値が高まる

お客様の要望に合わせることはお客様が持っている「答え」に合わせにいくことになるため中々難しいが、提案は自分の中に「答え」があるので、提案理由を明確にしていれば、お客様からの満足度も高まり、かつ交渉としても主導権を持ったかたちで進めていけるものです。

さらに、経営者になったときに実践したいことが次の3点です。

スモールスタートから始めてみる

完璧を目指さずにまずはスタートを切ることが重要であり、出来るだけリスクを取らずに小さく始めること、そして仮設を立て実験し検証してから大きく広げることがビジネスの基本であると竹之内社長は言われております。

シンプル化

美容師のカットの技術や「りらくる」のセラピストの施術等において、技術・施術をいくつかに限定することにより、マニュアル化を実現でき、更に新人の育成期間も短縮できます。

それが事業拡大に繋がるのです。

仕組み作りの工夫

優秀な従業員の作業を細分化し、その中で他の従業員とは違う部分にフォーカスして、それをルール化し、チェックするということで、属人的な作業を無くし、組織として効率化を図れるという考え方です。

まとめ

経営者の方はもちろんのこと会社勤めの方、そしてこれから起業を目指すという方にはおすすめの一冊です。

特に漠然と起業はしたいけど、何をやったら良いかわからないという方は勇気づけられる本だと思います。

竹之内社長は成功者には2種類いると言われており、自分のやりたいことや理想がまずあって、お金よりもそれを優先した結果、お金がついてきたというパターンと、お金が何よりも大事で、稼ぐために何をしたらいいのか考えて事業を起こし、お金を手にしたパターンです。

竹之内社長はどちらが良い悪い、優劣をつけるということは言われてなく、自分がどちらのパターンの人間かを見極めたうえで、そのパターンの成功者の真似をした方が良いと指南されております。

私は、経営者というのは、理想ややりたいことが皆あって経営者になっているものと考えておりましたが、必ずしも経営者皆が皆、そうではないということにかなり勇気づけられました。